このページでは、当サイトに掲載している店舗の皆さんがどのような方法で支援を募っているのかをまとめています。これらの情報から、現在経営の危機にある店舗の方が危機を乗り切る方法を見つけるための一助となってほしいと考えています。
このページでは「ユーザーがお店を支援する方法」ではなく、「お店が支援を受け取るための方法」という視点で支援方法を紹介しています。(内容はどちらでも変わりませんが)
「ユーザーがお店を支援する方法」については下のききょうさんのまとめ記事をぜひご覧ください。このページを作成する上での参考にもさせてもらっています。
このページの情報は当サイトの管理代行、もっぷがまとめたものです。
掲載されている店舗の内容から各支援方法を調べて説明を書いていますが、あくまで個人的な調べによる説明であるため、その正確さを保証するものではありません。実際に利用する際には当該サイトの公式ページ等の最新かつ正式な情報をご確認の上でご利用ください。また、記述に間違いがあった場合にはコメント欄にて教えていただけると助かります。
支援方法一覧
当ページで紹介している支援方法は下記の通りです。
- 通販サイトで商品やグッズ等を販売する
- 「ドリンクチケット」や「フリーパス」等の後日使用できる物(権利)を販売する
- 「note」や「Ci-en」といったクリエイター向けサービスを通じて支援を受ける
- YouTube等の動画配信サイトにチャンネルを作り収益化する
- YouTube等でライブ配信を行い「投げ銭」を受け取る
- クラウドファンディングを行う
- 直接送金してもらう
通販サイトで商品やグッズ等を販売する
ゲームショップ等で商品がある場合、もしくはショップ以外でも公式キャラグッズなど販売できるグッズ等がある場合、通信販売により収益を得ている企業もあります。
ボードゲームカフェのJELLY JELLY CAFEさんはボードゲームという商品を扱っているため、普段から自社の通販サイトで商品を販売しています。
他にも、通常は販売商品を取り扱わないゲームセンターのような業態でもキャラグッズ等を作り販売している企業もあります。
例えば、ゲームセンターの岡山ファンタジスタさんはイメージキャラクターの「ジスたん」を用いた萌タグやハンコの通信販売を行っています。また、どちらも自社の通販サイトではなくコラボ商品として他社の通販サイトにて販売されています。(萌タグは阪南市商工会公認キャラクター波有手美海&緑川さくらの公式サイト、ハンコはハンコマンのキャラ鑑で販売中)
急にキャラグッズを作ることが難しくても、最近ではデザインさえあればグッズの作成・販売を行ってくれるサイトもあります。そうしたサイトを利用すれば、店のロゴなど既存のデザイン等を用いてグッズを販売することが可能です。
ゲームセンターWILLさんではコロナウイルスの影響による売上低迷から、経営維持のためにお店のロゴ入りのTシャツおよびパーカーの販売を始めています。これは従来から販売していたわけではなく、この危機を乗り越えるための支援募集の一環として新たに開始したものです。
使用されたのがTシャツトリニティというデザインアイテムの通販サイト。ここでは買い物をするだけでなく、一般クリエイターとしてデザインを送るだけでTシャツトリニティさんがそのデザインが付いたTシャツ等を作成・販売を請け負ってくれ、販売できれば販売価格からベース価格を引いた報酬額を受け取ることができます。(詳細はこちら)
報酬額(販売価格)も自由に設定できるため、支援を目的とした高めの販売価格も設定できます。実際にゲームセンターWILLさんは販売しているTシャツとパーカーについて「支援を前提とした価格設定となっているため相場より高値となっております」と明言しています。
ゲームセンター関係では岡山ファンタジスタ店長さんが中心となってゲームセンター支援のためのチャリティーキーホルダーの販売企画がいらすとぷらすさん特設サイト内で4月14日より開始されました。各ゲームセンターのロゴをモチーフとしたキーホルダーを1個3300円で販売し、売上げの9割を店舗の支援金とする企画です。
緊急事態宣言が発令された4月7日から動き出し、グッズ制作会社のいらすとぷらすさんに打診、4月14日に販売開始という非常にスピーディに立ち上がった企画です。各所の協力が得られてできることではありますが、逆に言えばグッズ制作会社さん等の協力を得ればこうした活動を素早くかつ円滑に始めることも〝できる〟という一例かと思います。
参加店舗は引き続き募集中で、「お店のロゴ画像」さえあれば参加可能とのことです。詳細を知りたい方は下記リンク先(岡山ファンタジスタさんのCi-en記事)をご覧ください。
グッズを用意することはできても通販サイトを立ち上げるのが大変、という場合には簡単にネットショップを開設することができるプラットフォームサービスを用いるのも一つの方法です。
当サイトに掲載されているお店の中には「BASE(ベイス)」という、ネットショップを少ない手間で開設できるプラットフォームサービスを利用しているところがあります。
初期費用・月額費用等が無料(一部有料機能あり)でネットショップを開設でき、決済等の通販を実施する上で必要な機能が盛り込まれているため、多くの知識が無くとも比較的簡単にネットショップを開設することができます。(詳細は公式サイトの「BASEでショップを開設する9つのメリット」や「BASEでショップを運用するときにかかる費用まとめ」等を見てください)
「ドリンクチケット」や「フリーパス」等の後日使用できる物(権利)を販売する
前述のような通販サイトを利用したくても、販売するグッズ等がそうそう用意できない・思いつかない、というお店も多いと思います。ゲームカフェやバーでは飲食物を中心に利益を得ているでしょうし、ゲームセンターはゲームの利用料金から利益を得ているとなれば、それらと違う「物としての商品」の販売をいきなり始めるのはハードルが高いであろうことは想像できます。
そうしたお店で取り組まれている例として挙げられるのが、「ドリンクチケット」や「フリーパス」といった、後日使える商品券のようなものを販売する手法です。
例えば営業自粛中のゲームカフェ8bitcafeさんでは前述のBASEサイトを用いて「ドリンクパス」を販売しています。3000円〜10万円のドリンクパスを今購入することで、6月以降の営業再開後に無期限でそのドリンクパスを使って飲み物と交換ができます。
一番安い3000円のドリンクパスは5杯の飲み物と交換可能で、一杯当たりは600円となりますが使用する時は700円以下の飲み物と交換可能です。つまり単なる支援だけでなく購入したお客さんも得することができることになります。
さらに3万円以上のドリンクパスでは一杯当たり500円ともっと割安になる上、オリジナルTシャツや今後のイベントの無料入場券を付けるなど、高いドリンクパスほどお得になるように設定されています。
同じくゲームカフェのcafe la siesta -8bit edition!!!-さんでは今後来店した時に飲食代の支払いに使える「ドリンク&フード券 500yen」を販売しています(販売にはBASEを利用)。こちらは名前の通り1枚当たり500円の飲食代として使えるものですが、10枚セットは4800円、20枚セットは9500円、40枚セットは18000円と、より枚数が多いセットほど割安で買うことができるようになっています。
これらは日頃販売している飲食物の代金の「先払い」をしてもらうだけになるので、新たなグッズ等を用意する必要が無く、大きな手間をかけずに休業中の収入を得ることができる方法の一つと考えられます。また、購入したお客さんも一方的な支援ではなく営業再開後は先払いしたお金で飲食ができる(しかもお得)ので、お店・お客さん双方にとって心理的にも実施しやすいのではないかと思います。
他では、ゲームセンターの岡山ファンタジスタさんがCi-enというサイトを通じて「イベントフリーパス」を販売しています。月額2000円のフリーパスプランに入ることで、店舗主催のイベント(格闘ゲームの大会や定額フリープレイ等)の参加費が無料になります(毎月更新)。
このように具体的な「物」だけでなく「サービス(権利)」を販売するというのは今回の事態に関わらず近年よく見られる方法です。また、「サービス」の販売であれば「物」と違って通信販売の際に発送等の手間を省くこともできます(購入した時のメールを店頭で見せる等で対応するとか)。
前述の通り通信販売サイト自体は「BASE(ベイス)」といったプラットフォームサービスを用いれば比較的簡単に開設することもできますし、有効な手段の一つではないでしょうか(実際に上で紹介した8bitcafeさんとcafe la siesta -8bit edition!!!-さんはBASEを利用してドリンクチケットを販売しています)。
検索すればBASE以外にもネットショップを手軽に始められるサービスはいくつかあります。例えば「STORES」や「PassMarket」と言ったサイトです。検討される方はぜひ調べてみてください。
「note」や「Ci-en」といったクリエイター向けサービスを通じて支援を受ける
最近では大手の出版社や小売店などを介さずに、個人クリエイターが作品を発表、販売したりする場所を提供するクリエイター向けサービスも増えています。
その一つが「note」というサービスで、当サイトで紹介している店舗でも利用されています。
noteはブログのように記事を書いて発信することができるサイトですが、一般ブログサイトと違い、各記事を有料で販売することができます。小説やマンガといったものを1話500円の有料記事としたり、ビジネスや技術のノウハウを記事にまとめて有料で見られるようにするなど、人によって様々な使われ方がしています。
また、記事自体は無料にした上で、気に入った人は自由な金額を支払ってクリエイターをサポートする「サポート機能」もあります(いわゆる投げ銭)。こうした機能を通じて支援を受けることができます。クリエイターとしてアカウント開設するのは無料ですし、比較的敷居の低い方法だと思われます。
例えばゲームセンターのWGC -World Game Circus-さんとゲームセンターWILLさんでは以前からnote上でブログとして記事(無料)を公開していますが、現在はそのnoteのサポート機能を通じた支援をお願いされています。
ボードゲームカフェのはまりばカフェさんは今回のために新たにnoteのアカウントを開設し、いくつかの有料記事を公開しています。投げ銭としての有料記事のほか、後日使用できる500円の割引券が付いた【はまりば応援コース】という2000円の有料記事や、500円割引券6枚が付いた【はまりば男気支援コース】という1万円の有料記事を通じて支援を募っている状態です。
支援の要請であれば「有料記事の価格に見合うように」などと難しいことを考えて書く必要も無いですし、単純にブログのような形でお店のことを書いた記事を公開するだけで支援をお願いすることは可能です。普段は話さないようなお店の内部事情や裏話を書くだけでも十分でしょう。
もう一つ、当サイトで掲載している店舗さんでよく使われているのが「Ci-en」というサイトです。
Ci-enは株式会社エイシス(DLsiteも運営している企業)が2018年に開設したクリエイター支援サイトです。Ci-enもブログのような形で記事を書いて公開することができるものですが、上述のnoteでは記事単位でお金をいただくのが基本なのに対し、Ci-enでは月額の有料プランというものを設定して継続的な支援をしてもらうのが基本になります(もちろんプランの加入・解約は自由にできます)。
無料プラン(フォロー)では雑記だけが見えるのに対し、有料プランに入るとより詳しい話が聞ける、より高い有料プランでは何かしらのサービスが受けられる、といった形で支援金額に応じた特典を支援者に返すようにするのが基本的な使い方になります。詳しくは公式ページのクリエイター登録についてをご覧ください。
(無料プランのみでブログのように使うこともできます)
現時点(このページ公開時)で当サイトに掲載した店舗の中でCi-enを利用しているのは、岡山ファンタジスタさん、奥州テクノワールドさん、KO-HATSUさん、コミック広場 甲西店さん、カルチャーアーツさん、ゲームセンターWILLさん。他の方法と比べて多くの店舗で利用されています。
この中でもKO-HATSUさん、コミック広場 甲西店さん、ゲームセンターWILLさんは今回のコロナウイルスの影響に対しての支援をお願いするために新たにアカウントを開設しています。
有料プランの使い方はそれぞれですが、500円程度の有料プランで有料記事(ゲームセンターの運営のことや裏話が聞ける)が見れる、2000円程度の有料プランで有料記事に加えてイベントのフリーパスやゲームの時間制フリープレイといった特典が付くところが多いようです。
もちろん支援要請と割り切って、金額に応じた特別な特典を設定していないところもありますし、コミック広場 甲西店さんでは取り急ぎ開設したところで有料プラン特典の詳細は後日決めるとしています。それでも支援のためにと多くの人が有料プランに加入してくれています。
「note」も「Ci-en」も元々クリエイターの〝支援〟を目的としたサイトであり、通販のように「代金を支払って商品を買う」のとはサイトのコンセプトが違います。「完成品」にお金を払うのではなくクリエイターの「活動」にお金を払うことができるようになっているのです。
今回のような特殊な危機に対して経営維持という「活動」の支援をお願いする上では使いやすいサイトではないかと思います。
YouTube等の動画配信サイトにチャンネルを作り収益化する
YouTubeやTwich、ニコニコ動画といった動画配信サイトでは多くの人に配信した動画を見てもらうことで収益を得ることができる仕組みがあります。
最も有名な動画配信サイト、YouTubeでは「YouTubeパートナープログラム」に参加することで配信している動画から収益を得ることができるようになります。得られる収入の種類として、公式ヘルプの説明では以下のものが挙げられています。
- 広告収入
- チャンネルメンバーシップ
- グッズの棚
- Super Chat と Super Stickers
- YouTube Premium の収益
広告収入は投稿した動画を視聴者が見る時に、動画の横や動画再生前に広告を出すようにすることで、視聴数などに応じて収益をもらうことができます。
チャンネルメンバーシップは公開しているチャンネルに有料のメンバーシップを作ることができます。この場合は有料メンバー限定の動画やライブ配信等を見ることができるなどの特典が必要です。これにより有料メンバーシップの収益を得ることができます。
Super Chat(スーパーチャット、スパチャ)はいわゆる投げ銭です。こちらの詳細は後述します。
グッズの棚とYouTube Premiumの収益はあまり見ないのでここでは省略します。
このようにYouTubeでチャンネルを作り多くに人に視聴してもらうことで収益を得ることが可能ですが……収益化のための「YouTubeパートナープログラム」への参加には条件があります。詳細は公式ヘルプを見ていただきますが、大きなところでは次の二つです。
- チャンネル登録者数が 1000 人以上である
- 有効な公開動画の総再生時間が直近の 12 か月間で 4000 時間以上である。
以前からチャンネルを作り動画を公開しているならば不可能ではないですが、これからチャンネルを作るような場合ではそうすぐに収益化することは難しいでしょう。また、条件を満たしてもすぐに収益化できるわけでなく審査に合格する必要があり、審査には1ヶ月程度はかかると言われています。現在の事態に対する緊急の支援策としては難しいのが事実です。
ただ、イベントを行っているゲームセンター等で投稿するような動画のネタがある場合には、チャンネル登録と収益化を目指した活動というのも直近ではなく今後のためにしてみるのも有効だと思います。
当サイトに掲載の店舗では、岡山ファンタジスタさんは以前からジスタチャンネルというYouTubeチャンネルを開設し、既に収益化がされています。格闘ゲームの対戦動画の公開やアーケードゲームのライブ配信等を行っており、有料のメンバーシップもあります。
その他、ゲーセンミカドさんやプレイスポットビッグワンセカンドさんも収益化されたYouTubeチャンネルを開設しており、ゲームイベントのライブ配信やアーカイブ動画の公開をしています。
また、今回の件をきっかけに現在奥州テクノワールドさん、KO-HATSUさん、プレイランドエフワンRさんがYouTubeチャンネルの収益化に向けて活動中です。どこもYouTubeチャンネル自体は以前から開設していたものの、収益化はしていなかったようです。
YouTube以外ではTwitch(ツイッチ)というゲーム専用のライブ配信サイトがあります。TwitchパートナープログラムとTwitchアフィリエイトプログラムという二種類の収益化方法がありますが、これらも収益化には条件があります。(詳細は各公式ページをご確認ください)
収益化ができれば月額制の有料サブスクライブ登録やチアー(投げ銭)による収益を得ることが可能です。
当サイトに掲載の店舗では岡山ファンタジスタさんとプレイスポットビッグワンセカンドさんがTwitchでのライブ配信を行い収益化をしています。
日本で有名な動画配信サイト、ニコニコ動画には「クリエイター奨励プログラム」という収益化プログラムがあります。こちらはYouTubeやTwitchと異なり、収益化の条件がありません。正確にいうとYouTubeでは「チャンネル」に対して収益化の条件がかせられますが、ニコニコ動画では「動画」をクリエイター奨励プログラムに登録することで、その動画を収益化の対象とすることができます。
動画をプログラムに登録するための事前条件が無いことから収益化することは容易と思われますが、対象の動画について著作権等の制限はあるため、配信できる動画コンテンツが収益化が可能かについてはよくご確認ください。また、登録できたとしても再生数がかなり伸びないと大きな収入は見込めないものと思われます。
ニコニコ動画にはもう一つ、有料の「ニコニコチャンネル」を開設する方法もあります。ただ、現在では個人がチャンネル開設を自ら申請することはできない(活動していると運営からチャンネル開設可能の案内が来る)ものとなっています。法人であればチャンネル開設の申請はできるようですが、手続きや審査基準等の詳細がわからなかったためこれ以上は割愛します。
当サイトに掲載の店舗の中では、中野TRFさんとゲーセンミカドさんが有料のニコニコチャンネルを開設しています。
YouTube等でライブ配信を行い「投げ銭」を受け取る
前述の動画配信サイトの中でも、ライブ配信の際に「投げ銭」ができる仕組みがあります。
YouTubeでは「スーパーチャット(スパチャ)」と呼ばれるものがあります。ライブ配信中に通常のチャットメッセージは多くの人が書き込めばすぐに流れていってしまいますが、お金を払ってチャットを送ることで文字の色が変わったり少しの間固定表示させることができます。これがスーパーチャットです。
基本的には配信者への応援の意味が強く、スパチャは投げ銭と見られています。多くの場合は高額のスパチャをくれた視聴者に対してライブ配信者が反応を返したり要望に応えたりといったやりとりが行われます。
このスパチャを受け取るためには前述のYouTubeの収益化をクリアしなければなりませんが、収益化ができればライブ配信を行うことで「投げ銭」を受け取れるようになります。
Twitchでも同様の投げ銭機能として「Cheering(チアー)」があります。視聴者はビッツというものを購入し、それをライブ配信者に投げることを「チアー」と呼びます。チアーでビッツを受け取った配信者はビッツの価格の一部を受け取ることができることから、YouTubeのスパチャと同じ配信者に対する「投げ銭」になります。
ちなみに「チアー」はそのまま「応援」という意味です。「配信頑張ってください!応援してます!」という明確な意思表示をするためのものですね。
こちらもTwitchの収益化の条件をまずはクリアしないといけないですが、ゲームのライブ配信をメインにできれば支援を受け取る一つの手段となりうると思います。
クラウドファンディングを行う
近年話題のクラウドファンディングを行うこともできます。
クラウドファンディングはあるプロジェクト(目的)を実施するために必要な資金を集めるための仕組みです。新しいデバイスを考えたけど開発を始めるための資金が無い、面白い商品を思いついたが需要があるかわからない、といった場合にプロジェクトを開設、目標金額を設定することで「この金額が集まったら実際に開発して提供します」ということが可能です。
クラウドファンディングは「ファンディング」という名前の通り「投資」の側面が強いです。基本的にはプロジェクトの主催者が新しい製品や事業を行いたいということに対して、〝是非実現してほしい〟と思った支援者が金銭的な「投資」をすることになります。そして主催者は「投資」をしてくれた支援者にお礼となる何かしらの「リターン」を返す、という形です。そうした〝新しいこと〟が元々の発想にあるところは、経営危機に対する「支援」とは少しコンセプトが異なるところはあるとも思います。しかし、こうした危機において幅広い人々から支援を集める有用な手段の一つであることは間違いありません。
有名なクラウドファンディングサイトとしてはKickstarter(キックスターター)やCAMPFIRE(キャンプファイヤー)があります。キックスターターはアメリカ発でクラウドファンディングの先駆けとして有名ですが、最近の日本国内では国内サービスであるCAMPFIREがよく使われる傾向にあります。
現在ではゲーセンミカドさんがCAMPFIRE上でクラウドファンディングを実施中です。
プロジェクトの目標金額は2000万円、実現したい内容として以下の計画が挙げられています。
- ゲーセンミカド別館in白鳥プラザオープン計画
- 中部地方、北陸地方でのゲーセンミカドコラボレーションコーナーオープン計画
- 小説TOKYO HEAD復刊計画
- ALL.Net P-ras MULTI バージョン3筐体の設備投資計画
- 高田馬場ミカド/池袋ミカド 喫煙ブース設置計画
なお、このプロジェクトは4月10日に開始して、翌日の4月11日で2000万円の目標を達成したようです(支援募集は継続しています)。多くの人が支援をしたいと思っていることの表れと言えます。
4月17日(土)からは中野TRFさんが店舗の存続、ひいてはビデオゲーセン文化の保全を目指したクラウドファンディングを開始しています。こちらは支援のためのもので、オリジナルキャラのキーホルダーやレンタルスペースのフリーパスなどがリターンとして用意されています。
現在CAMPFIREでは「新型コロナウイルスサポートプログラム」として、新型コロナウイルス感染症拡大によって経営に大幅な支障をきたした事業者に対して、支援金振込時に掛かるサービス手数料を通常12%→0%とする支援策を実施しています。これにより決済手数料5%のみがかかり、支援金の95%がプロジェクトの事業者に渡ることになります。(詳しい適用条件などは公式の説明をご確認ください)
上記プロジェクトもこのサポートプログラムの適用を受けて実施されています。
ゲームセンターに限らず、飲食店やライブハウスなど多くの事業者がこのサポートプログラムの助けを得つつ支援を募集しています。(CAMPFIRE内の特集はこちら)
直接送金してもらう
ここまでのような手段を取ることも難しく、緊急的に金銭支援を求めたい場合——もっともわかりやすい金銭支援の手段が〝送金〟です。銀行振り込み等で直接的にお金を送ってもらう方法になります。
送金してもらう方法として、以下の手段が見られます。
- 振込先の銀行口座を伝える
- PayPalで送金してもらう
銀行振込は最も一般的な送金方法です。振り込み手数料を除けば差し引かれる手数料等もほぼ無く、シンプルに金銭支援を受けることが可能です。ただし、振込先の口座情報を教える必要があるため注意が必要です。
PayPalは通販サイト等での決算手段としてよく用いられているものですが、サービスの一つに「PayPal.Me」という専用のURLを通じた送金(支払い)を行えるものがあります。
商用の場合はビジネスアカウントを作成する必要がありますが、初期費用・月額手数料は無料です。アカウント登録後はすぐに送金の受け取りをすることができるそうです(本人確認手続き終了までは受け取ったお金を口座に引き出すことはできません)。
詳しくはPayPalのビジネスアカウントの公式ページをご覧ください。
ただ、こうした送金による支援は商売とは区別された完全なる〝寄付〟に当たると考えられます。言うまでもないことではありますが、こうした直接送金による寄付で過剰にお金を集めることは慎むべきであり、今回の新型コロナウイルスのような緊急事態での倒産リスク回避のための最終手段としてのみ許容されるものだと考えています。ご理解をお願いします。
もちろん、特別な通販サイト等を作らずに、何かを販売・提供して、その対価をもらうために上記の手段(銀行振込やPayPal.Me)を使うのは有効な手段です。もともとPayPal.Meはそのためのサービスでもあります。
終わりに
このページではお店の人向けに、当サイトで掲載している店舗がどのような方法で支援を募っているかを紹介しました。
中には簡単には実施できないものもありますが、今回の新型コロナウイルスを乗り切った後でもまた別の危機が訪れる可能性はあります。今後のためにも他店がどのような取り組みをしているのかだけでも知ってもらえればと思い、このページを作成しました。
素人が書いたものではありますが、このページの情報が少しでも収益や支援を受け取る様々な方法を知っていただく一助となれば幸いです。
ゲームに携わるお店の方々が長く経営を維持できること、そして私たちゲーマーが一緒にゲームを楽しめる環境を持続できることを切に願っています。
サイト管理代行:もっぷ
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